メタバースとは|その意味や仮想空間でできること・注目される理由を解説
既存の仮想現実空間の具体例としては、
大人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森」のような仮想空間のオープンワールドで遊ぶゲームや、2010年前後に話題となった「セカンドライフ」などが挙げられるでしょう。
どちらも数多くの人とコミュニケーションでき、その中だけで使える通貨や物品のやりとりができる仮想空間です。
しかし、必ずしも他者を必要とはせず、ゲームとして一人でプレイして完結することもできました。
メタバースとこれらのゲームや既存の仮想現実空間との違いは、他者も存在するのが前提の仮想現実空間であることでしょう。
メタバースでできること
これまでの仮想現実空間(バーチャル空間)との違い
- 他者と交流したり空間を共有したりできる
- 多数の空間の集合体になっている
- 大人数が参加できる
- アバターを使って参加する
- 自分のスペースやオブジェクト・アイテムを創造することができる
メタバースが注目されている理由
名だたる企業がメタバースへの参入や投資を決めており、メタバースが注目されるきっかけとなっています。
例えばFacebookやMicrosoftはメタバースのサービスやツールの開発を進めています。日本のGREEもメタバース参入へ意欲的です。そしてNTTドコモやKDDI・講談社・ソフトバンクなど多くの企業が、メタバースに関わる国内外の企業に出資しています。
このように、世界でも日本国内でも大手企業が次々とメタバースへの参入・投資を行っていることから、ビジネスにおけるメタバースへの期待値の高さが伺えます。
また、仮想通貨やNFTはメタバースとの親和性が高く、メタバースの広がりを後押ししています。NFTによりデジタルデータも偽造・複製ができなくなり、メタバース内での活動や制作物が安心して取引できるようになりました。そして仮想通貨がその売買に用いられます。
2021年3月にはNFT技術を用いたデジタルアートが75億円で落札された事例があり、美術界に激震が走りました。
今後はこうしたNFTを用いた経済活動が、メタバース上でも行われるようになるのではないか、と期待を持つ声も見かけられます。
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NFTとは|注目される理由や取引について解説!【事例紹介あり】
メタバース関連サービスの事例紹介
- メタバースの場となるプラットフォーム
- リアル・デジタル両方の商品販売・体験向けのスペース
- アバター作成サービス
- コンサルティング
- ゲーム(MMORPGなど)
- VR法人HIKKY
- バーチャルマーケット
- 三越伊勢丹 REV WORLDS
- cluster
- 渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト
- SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland
- AVATARIUM(アバタリウム)
VR法人HIKKY
- バーチャル上で行われるマーケットフェスティバル「バーチャルマーケット」の企画・運営
- VRソリューションの戦略・施策設計
- システム設計・開発
- 運用・サポート
バーチャルマーケット
会場では展示された3Dアバターや3Dモデルなどを自由に試着・鑑賞・購入することができます。その他、アートや研究成果の発表・トークセッションの配信などもあります。VRChat(PC版・Oculus Quest版)、Webブラウザ・スマホから無料で入場が可能です(入り方により入場できる範囲に違いあり)。
来場者の7~8割が日本国外からのアクセスで、国際的なイベントになっています。
三越伊勢丹 REV WORLDS
cluster
渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト
SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland
「SANRIO Virtual Fes in トレンドの意味 Sanrio Puroland」は、サンリオ初のバーチャル音楽イベントです。仮想のピューロランドにて、2021年12月11日・12日の2日にわたって開催されました。VRchat、DOOR、SPWN(それぞれPCかスマホ)の中から選択して参加・観覧することが可能でした。
AKB48(Team8)やKizuna AI などリアルのアーティストとバーチャルのアーティストが多数出演。さらにサンリオのキャラクターも登場・出没し、空間を盛り上げました。
AVATARIUM(アバタリウム)
メタバースの今後の展望
- ビジネスチャンスが増える
- コストカットが図れる
メタバースはマーケティングの上でも、今後の展望に大きな可能性を秘めています。
具体的には、バーチャル空間での商品販売、販路の拡大、新たな商品開発などが考えられます。
バーチャル空間なら、オンラインショッピングにおいても、今までは難しかった、より立体的なプロモーションが可能かもしれません。商品の見せ方の幅が広がるでしょう。今後、よりメタバースが一般的に普及していけば、メタバース上でのみ発生する需要に対する新しいサービス商品も生まれてくるでしょう。
すでに新しい購買パターンも生まれつつあります。旅行先でお土産を買うように、オンラインのイベントの思い出に商品を買うことなどです。これはデジタル・リアルの商品を問いません。今後はバーチャルとリアルの両方で購入活動を楽しむようになっていくと予想されます。
メタバースを活用すれば、実店舗の代わりに仮想現実空間で店舗やショーケースを設置して販売できますし、D2Cで購入者に商品を届けることになるでしょう。
マーケティングで注目されている、売らない店舗「ショールーミング」との親和性も高いでしょう。メタバースを活用した商品の販売・提供ではバーチャルの楽しさを壊さない、配送における「体験価値の仕掛け」が今後重要になると考えられます。
ショールーミングでの販売手法と同様で、メタバース上でユーザーが見て購入した商品を、現実世界でユーザーの手元に届ける際には、そこに付加価値や体験価値を付ける必要が出てくるのではないかと予想します。
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