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損益の定義

損益の定義
※1 オーバーハングとは、大株主がこの先株式を大量に売却する懸念から買い控えが起き、株価が上がりづらくなることを言います。※2 意外に思われるかもしれませんが、日本の上場企業で有利子負債額が最も大きいのはトヨタです。トヨタはグループで自動車ローンを中心とした金融事業を抱えているため、有利子負債が多くなっているのです。ただし、有利子負債と両建てで現金や金融債権を抱えているため、実際には有利子負債が多いことで必ずしも財務体質が悪いというわけではありません。具体的には2021年3月期において、トヨタは長期の有利子負債として13.4兆円を抱えていますが、非流動資産における金融事業にかかる12.4兆円を有しています。また、流動負債における有利子負債は12.2兆円ですが、流動資産として現金等5.1兆円、金融事業にかかる債権約6.8兆円を抱えています。以下も参照。「借金が多い企業1位は【どこ】? 3位本田技研、2位ソフトバンクグループ」マイナビニュース、2021年9月28日。※3 ノンリコースローンは日本ではあまりない仕組みですが、実はアメリカの住宅ローンではよく見られます。実は2008年のリーマンショックの端緒となったサブプライムローン問題は、このノンリコースローンの仕組みが悪い方に使われたために起きたものです。※4 厳密にはソフトバンクGの100%子会社であるSoftBank Group Capital Limitedが株主です。

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勘定科目の5つのグループ…費用・収益・資産・負債・純資産を理解する

経理担当者にとって勘定科目といえば日常的に触れているものです。しかし身近過ぎるがゆえに、体系的に学んだことがないという経理担当者も多いのではないでしょうか。経理担当者として、主要な勘定科目の意味を把握するのは基本中の基本です。
今回は、勘定科目を分類する5つのグループについて解説します。どの勘定科目がどのグループに属するのかを理解し、基本的な仕組みを改めて学んでみてください。

勘定科目の5つのグループ

損益計算書を構成する「費用」、「収益」

■費用
「費用」は事業活動で支払った経費を示します。費用の基本的な考え方は「収益を得るために払った対価」であり、多くなったからといって単純に事業がうまくいかなかった判断となるわけではありません。後述する収益から費用を差し引いた数字を算出すると、その期の利益を正しく知ることができます。
なお、損益計算書を作成する場合、費用勘定は左側に記載します。

代表的な費用の勘定科目

勘定科目 取引内容
給料 従業員に支払った給与・賃金
仕入れ 販売するために仕入れた商品に支払った金額
広告宣伝費 新聞やWEB広告など自社や自社の商品をPRするために使った金額
水道光熱費 事業に必要なインフラの費用
通信費 電話代やはがき、切手代など

■収益
「収益」は、商品の売買やサービスの提供などで企業が獲得した収入のことです。収益勘定の増加は会社の利益に直結するほか、後述する純資産勘定の向上にもつながります。 損益計算書を作成する場合、収益勘定は費用勘定の右側に記入します。

代表的な収益の勘定科目

勘定科目 取引内容
売上 商品やサービスの売買によって得た金額
売上手数料 会社が受け取った手数料
受取利息 国債、社債の利子などの貸付による利息
雑収入 営業外収益のうち、取引金額が少ないものの金額
有価証券売却益 国債、社債などを売却したことによって得られた収入

貸借対照表を構成する「資産」、「負債」、「純資産」

■資産
企業が所有する財産のうち、利益を生む価値を持つものが「資産」です。現金はもちろん、工場や生産機械、建物、パソコンから債権などの権利まで、現在、将来問わず収益を生み出すもののすべてが該当します。
貸借対照表を作成する際、資産の勘定科目は借方(左側)に記載します。

代表的な資産の勘定科目 損益の定義

勘定科目 取引内容
現金 会社が所有する紙幣、硬貨
売掛金 売掛債権。後から現金を回収できる掛け取引の金額
預金 銀行などの銀行機関に預けている金額
建物 有形固定資産の一つ。企業が保有するビルなど
備品 会社が所有するデスクやPCなど

■負債
「負債」とは会社が所有するマイナスの財産です。 銀行からの融資や未払いの金額など、いずれ返済しなければならないものだけでなく、資産が減少するものすべてが対象です。さらに、負債勘定は返却期間が1年以内の「流動負債」と1年を超える「固定負債」に分けられます。 貸借対照表では右側に記入します。

代表的な負債の勘定科目

損益の定義
負債の種類 勘定科目 取引内容
流動負債 買掛金 買掛債務。信用取引により物品などを購入した際に、帳簿上のみの債務として記録
支払手形 上記の際に約束手形の発行、もしくは為替手形を受け取った場合に使用
固定負債 社債 資金を調達するために発行した社債を処理するための負債勘定
退職給付引当金 従業員などの退職給付に備えて費用に繰り入れた引当金の残高

■純資産
「純資産」とは資産から負債を差し引いた財産のことで、「正味財産」、「自己資産」ともいいます。純資産がマイナスだと債務超過の状態となり、倒産のリスクが高まります。なお、純資産は株主資本とそれ以外に大別できます。

経常収支分析①

CFOFORUM

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ⓐ費用
ここでいう費用とは、損益計算書上の売上原価、販売費・一般管理費、および営業外費用のことをいう。

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ⓑ支払の生じない費用

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ⓒ棚卸資産の増加

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ⓓ買掛債務の増加
これは、売上収入の場合と同様、上記ⓒで算出された仕入高から現金支出を算出するためのものである。すなわち、

≪仕入支出算出の考え方≫

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ⓔ未払費用、前払費用の増加
営業外費用には、支払利息などがある。また、販売費・一般管理費にも、不動産の貸借料などさまざまな経費がある。これら経費のなかで未払い分は「未払費用」、前払い分は「前払費用」で計上されることがある。

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≪経費現金支出算出の考え方≫

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≪一般経費支出算出の基本的考え方≫

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ⓕ負債性引当金の目的支出
負債性引当金としては、退職給付引当金等があるが、退職金などの費用項目を使わずに、直接支払われることがある。これを目的支出という。

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「損益」と「資金繰り」の違いとは?/ 資金繰りの基本(4)

「これを見てどう思いますか?」と、資金繰りのコンサルティング先である中小企業の経営者から聞かれることがよくあります。その会社の顧問税理士が作った決算書や試算表の数字を私に説明してくれと言うのです。話は次のように続きます。「決算書では利益が出ていて黒字なのですが、そんなお金は全くありません。どういうことなのでしょうか?」、逆に「試算表で大きく赤字が出ていて、税理士からもっと利益を出してくださいと言われていますが、実際のところそれほど資金繰りには困っていないのです。どういうことなのでしょうか?」などです。
経営者は、決算書や試算表の数字と、資金繰り表の数字にズレが生じているため、どちらを信じていいのか? あるいは、どのように考えていけばいいのか? が分からなくなっているようなのです。
そこでこの記事では、決算書や試算表の数字、いわゆる損益と資金繰りがそもそもどういうものなのか? ということを明らかにし、さらにどちらを信じればいいのか? どのように考えていけばいいのか? を一緒に見ていきたいと思います。ちなみに、試算表とは月ベースの決算書です。

1 損益の定義 そもそも「損益」とは何なのか?

1.バーチャルな売上

まず、決算書の売上には、まだお金が入金されていないもの(売掛金)が含まれます。それとは逆に、すでにお金が入金されているにもかかわらず、売上にならない部分(前受金)もあります。つまり、 売上は実際にお金が動いた事実を表しているのではありません 。売上は通帳では確認できないバーチャルなものなのです。

2.バーチャルな仕入

次に、仕入です。決算書の仕入には、まだお金を支払っていないもの(買掛金)が含まれます。それとは逆に、すでにお金を支払っているにもかかわらず、仕入にならない部分(前渡金)もあります。つまり、 仕入も売上と同じように、実際にお金が動いた事実を表しているのではありません 。仕入も通帳では確認できないバーチャルなものなのです。

3.バーチャルな経費

経費についても、まだお金を支払っていないもの(未払金)が含まれます。それとは逆に、すでにお金を支払っているにもかかわらず、経費にならない部分(前払金)もあります。つまり、 経費も実際にお金が動いた事実を表しているのではありません 。経費も通帳では確認できないバーチャルなものなのです。

4.バーチャルな損益

バーチャルな損益を示した画像です

決算書の損益の目的を示した画像です

2 そもそも「資金繰り」とは何なのか?

1.経験と勘だけに頼ると嫌な汗をかくことに!

2.経験と勘だけに頼るデメリット

1.資金繰り表のメリット

2.リアル(現実的)な資金繰り表

3 「損益」と「資金繰り」どちらが大事なのか?

実は資金繰り表は形が大事です。資金繰り表は、できれば日繰り表(日ベース)で4カ月先くらいまでは見通せるものが望ましいです。一般的に取引のワンサイクルが4カ月くらいだからです。欲を言えば、1年先くらいまで日繰りで見通せるものであれば、なお良いです。そのような資金繰り表をチェックしながら経営のかじ取りをしていけば、おのずと会社にお金が残りやすくなっていきます。次の図表は、筆者がクライアント企業に提供している資金繰り表のプロトタイプですので参考にしてください。なお、この資金繰り表は、 こちらからダウンロード できます。

資金繰り表の例を示した画像です

4 まとめ

損益はバーチャル(仮想的)なもので、資金繰りはリアル(現実的)なものであるという話をしました。さらに、損益は過去の数字であり、資金繰りは先々の未来の数字ということでした。まとめると次のようになります。 損益は過去のバーチャルな数字、資金繰りは未来のリアルな数字ということがいえます 。損益と資金繰りはこのような大きな違いがありますので、全くもって別物です。明確に区別して考えるようにしてください。

損益と資金繰り表を示した画像です

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執筆:株式会社神田どんぶり勘定事務所 税理士 神田知宜
新発田高校卒業、関西大学卒業。1969年生まれ、新潟県出身、千葉市在住。
中小企業の資金繰りの悩みをゼロにする専門家。
「どんぶり大福帳®」導入コンサルティング、セミナー講師、執筆を業とする。
大学卒業後、大阪の税理士事務所に勤務。顧問先の社長から「もっと気の利いたアドバイスはできないのか? 全く何の役にも立たないな」と怒鳴られ続けノイローゼに。税理士業界にいる限り、社長との「心の溝」は埋まらないと感じ、税理士会を退会し、税理士業界を一度離れる。
上場会社の経理責任者となるがリーマン・ショックの影響をもろに受け上場廃止に。想像を絶する極限ギリギリの資金繰りを経験し、会社が生き延びるためには決算書や会計の専門知識は何の役にも立たないと絶望。
そのときに、お金の本当の姿を見えるようにしておかないといけないと痛感し、独自の資金繰り予測の体系化に成功。本の出版を機に独立し、神田式・資金繰り予測ツール「どんぶり大福帳®」の導入コンサルティングを展開。
「お金の使い方が変わり残高が3カ月で130%に増えた」「人件費300万円のコストダウンに成功」「返済額が50%OFFになり3000万円の特別な借入枠を設定できた」など、全国から喜びの声が届くようになり、「どんぶり大福帳®」導入実績は500社を超える。
●株式会社神田どんぶり勘定事務所
●YouTubeチャンネル「どんぶり勘定事務所」
●神田知宜税理士事務所 損益の定義

【著書】
「世界一シンプルでわかりやすい決算書と会社数字の読み方」(日本実業出版社)
「お金が残る「どんぶり勘定」のススメ~会社のお金は通帳だけでやりくりしなさい」(あさ出版)
「面白いほどわかる!!会計とファイナンスの教科書」共著(洋泉社)

ソフトバンクグループ、赤字1.7兆円・借金20兆円超えでも意外に「財務は健全」の秘密

会計とファイナンスで読むニュース

ここで気をつけるべき点は、ソフトバンクGは投資会社であって通信会社ではないということです。ソフトバンクGは、通信会社のソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンクKK)や、ヤフー、LINE、ZOZOなどを傘下に持つZホールディングス、“中国版アマゾン”とも言われるアリババ、SVFが投資するスタートアップ企業(上述したCoupangやDiDiもここに含まれます)など、数々の企業に投資している「投資会社」なのです。

これだけ投資をしているだけあって、負債も多く活用しています。有利子負債の額は20兆円を超えており、この金額は日本の上場企業で2番目です(※2)。これほどに有利子負債も多く、さらに1.7兆円もの損失を計上したとなれば、資金繰りは大丈夫かと心配になるのも道理でしょう。

NAV:投資先の価値は正当に評価されているか?

NAVとLTVという言葉にはあまり馴染みがない方も多いと思いますが、実はソフトバンクGはこの2つを「最重要指標」と位置づけています。2021年6月にこの連載でソフトバンクGを取り上げた際にも解説しましたが、改めて簡単に確認しておきましょう。

NAVとはNet Asset Valueの略で、「純資産価値」と訳されます。NAVの計算式は次のとおりです。

NAV

NAVという指標は一般的な事業会社で使われることはまずありませんが、定義からもお分かりのように金融商品の時価を反映した指標ですから、投資信託やREIT(不動産投資信託)など一部の金融商品ではよく使われます。ソフトバンクGがNAVを最重要指標と考えている理由は、先ほどもお話ししたとおり、ソフトバンクGが事業会社ではなく投資会社だからです

図表4

ご覧のとおり、ソフトバンクGのNAVが減った大きな要因の一つは、アリババの時価総額が減ったためです。1年前はNAVの43%を占めていたアリババですが、その時価総額が下がったことで2022年3月末時点での割合は22%とほぼ半減し、代わってSVFの投資持ち分(NAVの49%)が相対的に増えた格好です。

図表5

さて、このNAVを発行済み株式数で割ったものが「1株当たりNAV」です。1株当たりNAVは、理屈上では株価と近い値になります。なぜなら、NAVは概念的には時価総額(=株価×発行済み株式数)と非常に近しいものだからです。

4月1日時点でのソフトバンクGの1株当たりNAVは1万1204円でした。では同日の株価はどうだったかというと……5559円。NAVより50%近くもディスカウントされている状態です

ソフトバンクGの立場からすると、NAVに対して株価が半分しかないということは、自社の投資先の価値が適切に株価に反映されていないということに他なりません。

LTV:負債過多ではないのか?

LTVというとSaaS企業などでよく使われる「Life Time Value:顧客生涯価値」が頭に浮かぶ方もいるかもしれませんが、ソフトバンクGにおけるLTVとはそうではなく、「Loan to Value」、つまり保有している株式の総額に対して純負債がどのくらいの割合かを示す指標です。

LTV

LTV = 4000万円 ÷ 5000万円 = 80%

LTV = 3000万円 ÷ 6000万円 = 50%

ここで、ソフトバンクGのLTVに戻りましょう。2022年3月時点のソフトバンクGのLTVは20.4%でした(図表6)。

図表6

NAV18.5兆円 + 純負債4.72兆円 = 保有株式23.18兆円

純負債4.72兆円 ÷ 保有株式23.18兆円 = 20.4%

ソフトバンクGは有利子負債が多いため、「そんなに借金(有利子負債)まみれで経営は大丈夫なのか」と心配する声をよく耳にしますが、実はLTVはわずか20.4%にすぎません。住宅ローンを例にすると「5000万円の家を保有していて、借金は1000万円程度」といったところです。借金まみれどころか、もっと借入をしてもいいくらいかもしれません。

ソフトバンクGの純負債が少ない理由

ソフトバンクGの有利子負債は20兆円超えと日本の上場企業中2位の大きさだというのに、純負債が4.72兆円というのは少なすぎるのでは?」と。

図表7

この買収の際に用いたのが「Whole Business Securitization」と呼ばれるスキームで、要するにボーダフォンの買収に必要な借入の返済原資は、ボーダフォンが生み出すキャッシュフローに限定され、親会社のソフトバンク(当時)には遡及されない、というものです。このような仕組みをノンリコースローンと言います。

これが、有利子負債額20兆円を超えるソフトバンクGの純負債が調整後に4.72兆円にまで下がる秘密であり、またLTVが20%程度でとどまっている理由です。

資金繰りは大丈夫か?

この連載でこれまでに何度も見てきたように、企業はたとえ赤字を出しても、キャッシュさえ確保できていれば倒産することはありません。では、ソフトバンクGのキャッシュの状況はどうでしょうか。

図表8

(出所)ソフトバンクグループ株式会社 2022年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)より筆者作成。

「1.7兆円の赤字」という言葉の印象とは裏腹に、2022年3月期におけるキャッシュ残高は約5.2兆円と、驚いたことに2021年3月期より5000億円ほど増えています。その理由は、営業キャッシュフロー(営業CF)で2.7兆円も稼いでいるからです。投資損益で3.4兆円もの損失を被りながら、実は営業CFは生み出しているのです

また投資CFに関しては、SVFが新たに投資先の株式を取得したことによる支出が4兆775億円もあったことで、キャッシュアウトが大きく増えました。それもそのはず、SVFの投資先件数は2021年3月期の224社から、2022年3月期には475社と過去1年で倍以上に増えています。1年に250営業日あるとして、1営業日ごとに投資先が1社増えるという、恐るべきハイペースです

先ほど見てきたように、ソフトバンクGの会計上の損失の多くは、SVFの投資先の時価の変動によるものでした。一方キャッシュについては、投資先の有価証券の売却、投資による資金拠出、有利子負債の調達、SVFの外部投資家に対する分配などで、会計上の利益とはまったく異なる動きします

  • ソフトバンクGの最重要指標であるNAVとLTVを押さえたうえで、
  • SVFの時価の変動が利益にどう反映されたのか、
  • 投資先の回収や追加投資などがどのように行われたのかを確認する

今後SVF以上に注目すべき事業とは?

図表9

おそらくソフトバンクGとしては、安定的な収益を生む通信事業で底堅くキャッシュを確保することで今の悪い環境を耐えつつ、成長産業への投資を加速させることで成長していく狙いなのではないでしょうか。

そこでソフトバンクGは、2022年度中にArmの上場を目指す方向へと舵を切り替えました。Armの株主はソフトバンクG(※4)とSVFがそれぞれ75%、25%となっていますから、Armが上場すればソフトバンクG全体で上場益を享受できることになります

※1 オーバーハングとは、大株主がこの先株式を大量に売却する懸念から買い控えが起き、株価が上がりづらくなることを言います。

※2 意外に思われるかもしれませんが、日本の上場企業で有利子負債額が最も大きいのはトヨタです。トヨタはグループで自動車ローンを中心とした金融事業を抱えているため、有利子負債が多くなっているのです。ただし、有利子負債と両建てで現金や金融債権を抱えているため、実際には有利子負債が多いことで必ずしも財務体質が悪いというわけではありません。具体的には2021年3月期において、トヨタは長期の有利子負債として13.4兆円を抱えていますが、非流動資産における金融事業にかかる12.4兆円を有しています。また、流動負債における有利子負債は12.2兆円ですが、流動資産として現金等5.1兆円、金融事業にかかる債権約6.8兆円を抱えています。以下も参照。「借金が多い企業1位は【どこ】? 3位本田技研、2位ソフトバンクグループ」マイナビニュース、2021年9月28日。

※3 ノンリコースローンは日本ではあまりない仕組みですが、実はアメリカの住宅ローンではよく見られます。実は2008年のリーマンショックの端緒となったサブプライムローン問題は、このノンリコースローンの仕組みが悪い方に使われたために起きたものです。

※4 厳密にはソフトバンクGの100%子会社であるSoftBank Group Capital 損益の定義 Limitedが株主です。

編集部より:初出時、LTVの式を「LTV=保有株式÷純負債」としていましたが、正しくは「LTV=純負債÷保有株式」でした。訂正いたします。 2022年5月30日 20:00

米国州政府に学ぶ、コスト配分戦略の5つのベストプラクティス

今回のブログでは、 AWS ジャパン・パブリックセクターより、 「複数の機関・部局横断的にクラウドの利用コストを按分・集約する精算手法のパターン分岐の考え方と、ベストプラクティス」 について紹介します。ご不明の点、「 Contact Us 」までお問合せください。(以下、AWS Public Sector Blog へ掲載された 「5 best practices to create a cloud cost allocation strategy for government customers」 と題された投稿の翻訳となります。)

クラウド コンピューティングは、公共部門の顧客機関がテクノロジーを導入し、予算を組み、支払いを行う一連のプロセスに、根本的な変化をもたらすことができます。しかし、クラウドを構築する前に、政府機関は、所管部門=管轄区域の透明性要件と法的な監視要件に従って、クラウドのコストをどのように配分したいか(allocate cloud costs )を決定する必要があります。クラウドのコストの配分戦略(=発生したコストのユーザーまたは受益者に、あらかじめ定義された方法でクラウドのコストを配分する方法を決定すること)──は、あらゆる機関のクラウド化にとっての土台となるステップであると言えます。

アマゾンウェブサービス( 損益の定義 AWS )を利用する政府機関は、 AWS の従量課金制モデルにより、個々のリソースの単位でコストを追跡・報告・配分することができます。これにより、政府・公共機関はコストを最適化し、透明性を高めることができます。つまり、1)使用する AWS リソースに対してのみ支払い、2)使用するすべてのリソースを可視化することが可能となるのです。より高い可視性とコスト管理のケイパビリティが付与されることにより、政府機関の中央IT部門は、政府機関内のクラウドサービスの指定の所有者・所有機関に財務責任の管理を委ねることができます。消費者である政府・公共機関は、自分たちが「何」を支払っているのかを明確に理解できる仕組みを持つことで、納税者や他の政府指導者に対してコストを正当化するために、より多くの情報に基づいた意思決定を行うことができるようになるのです。

1. 所管部門=管轄領域の IT 予算取得の経路を精査

クラウドのコスト配分モデルを設計する際には、所管部門・機関の IT コストの資金調達・予算獲得の方法を検討しておく必要があるます。予算が一元的に配分されているか、あるいは、複数の予算に分かれているかは、どのようなコスト配分モデルを選択すべきか、そのシナリオ検討に影響を与える可能性があります。例えば、連邦政府資金を使用している場合、「OMB Circular A-87」に規定されているように、特別な報告要件がある場合があり、これはコスト配分戦略に影響を与えるものです。 AWS が政府機関のお客様に多角的で可視化可能な、配分機能を提供するとしても、お客様はその要件を満たすために、内部会計や定義されたチャージバック・プロセス(=機関同士の予算移出入)を通じて、これらのコストを配分する内部プロセスを開発しなければならない場合があるのです。

2. お客様の組織に適したコスト配分モデルの定義

クラウドの導入を検討されているお客様の中には、 損益の定義 「ユーティリティ・コスト・パススルー・モデル」 で要件を満たす方もいらっしゃいます。このモデルでは、中央のIT部門がクラウドリソースまたは AWS アカウントごとに実際のコストを分離し、その分の料金の請求をリソースの消費機関に渡します[passes those charges]。アリゾナ州では、チャージバックとコスト回収のために、中央で管理されたマルチアカウント戦略を用いたレイヤー・アプローチを採用しています。この方法では、Arizona Strategic Enterprise Technology(ASET)が総費用を把握できる一方、クラウドリソースを消費する機関が独自の AWS アカウントを持ち、その利用料を[ASETは]直接請求できるようになっています。各機関は、その利用について直接責任を負い、必要に応じて組織内でコスト配分することができます。さらに、ASETは同州の総費用を集計し、割引プログラムの適用を受け、その節約分を各機関に還元することもできます。

ミネソタITサービス(MNIT)は、2017年にクラウド・ジャーニーを始めたとき、このシンプルなモデルでスタートしました。やがて、中央ITサービス、管理、共有サービスのコストを計上してゆくための付加的な方法を模索し、 「ユーティリティ・プラス・アップリフト・モデル」 を採用しました。この「ユーティリティ・プラス・アップリフトモデル」は、各機関に個々のユーティリティ・コストを請求し、さらにセントラル IT サービスを考慮したパーセンテージを追加で掛け合わせて請求するものです。この割合は自治体によって異なりますが、20%前後であることが多いことが分かっています。これに対して、 「スタンダード・アップリフトモデル」 では、より多くのリソースを消費する機関が、より多くの共有コストを支払います。この割合は、ITスタッフの時間をコストモデルに組み込む必要性、チャージバックが損益分岐点を満たす水準であれば良いのか等の見通し、さらには年度外のコスト予測の影響などの要因に基づいて、管轄領域によって異なる数値が妥当とされることに、留意することが重要です。

公共機関のお客様は、 AWS の利用からより多くの経験とデータを得ることで、コスト配分戦略を反復し、洗練させていくことができます。例えば、MNITは現在、 「ユーティリティ・プラス・固定費モデル」 へと移行しています。このモデルでは、中央の IT 部門が、ユーティリティコストを直接機関に渡して請求するだけでなく、共有リソース、管理ツール、および管理手数料の過去の実績の計算も行います。中央 IT 部門は、これらの年間コストを分割し、各機関に所定の割合を割り当て、月単位で請求することで、各機関にコスト変動の予測可能性を提供することができます。

また、 「マネージド・ホスティング・モデル」 のように、中央 IT 部門がインフラストラクチャー・アズ・ア・サービス(IaaS)プロバイダーとして、すべてのインフラストラクチャ リソースを構築、維持、管理するモデルも有り得ます。このモデルでは、リソース、インフラ機能、時間、共有コストをカバーするサービスに対して特定の料金レートを設定するのが一般的な方法です。「マネージド・ホスティング・モデル」は、多くの場合、各組織が従来からオンプレミスのリソースに対して料金を賦課してきた方法と類似しています。このモデルは、サーバーやストレージなどの従来の静的なワークロードを扱う場合には料金分担のシンプルさを提供しますが、クラウドのコスト削減機会に対する透明性と柔軟性は低く、かつ、人工知能(AI)や機械学習(ML)サービスなどの高度なクラウド機能を考慮に含めることもできません。さらに、 AWS はリソースコストが透明であるため、「マネージド・ホスティング・チーム」は、これまでよりも正確に支出を予測でき、エンドユーザーに請求される単価をより正確に割り出すことができます。

最後に、組織ごとに能力や構造が異なるため、一部のお客様は、これまでのモデルとは異なる要素を包含した 「複合モデル」 [composite model]を活用しています。例えば、MNITは、アプリケーションを構築する能力を持つ機関には、クラウドリソースへのアクセスを許可し、前述の「ユーティリティ・プラス・モデル」で課金しています。自己管理能力が充分には無いその他の機関に対しては、MNITは「マネージド・ホスティング・モデル」に従ったハイブリッド エンタープライズ クラウド環境を提供しています。これにより、MNITはリソースを提供しながら、クラウドの機能・性能を活用し、パートナー機関の独自のニーズと能力に対応しながら全体的なコスト削減を追求することができるのです。

3. 主要なステークホルダーとコスト配分戦略を共有する

各組織・機関が自分たちのニーズを満たしうるコスト配分モデルを決定したら、当該モデルへの試算の実施、コストドライバー、および料金レートについて、各機関およびリーダーとコミュニケーションをとる必要があります。中央IT部門が請求方法と計算の根拠について各機関に明確に伝えることで、信頼と賛同を得ることができます。一般的に、クラウドの財務管理[cloud financial management]とこれらのプロセスは、各組織のクラウド ビジネス オフィス(CBO)が所管します。州によっては、公的な料金体系表[rate cards]を通じて戦略と配分モデルを伝えているところもあります。また、オンボーディング プロセス[=包括的なクラウド契約の傘下に入る場合の手続き]でクラウド財務管理と料金に関するトレーニングを行い、その詳細をコラボレーションプラットフォームやラーニング マネジメント システム(LMS)で公開する州もあります。どのような方法であっても、透明性が共通の「鍵」となります。

4. イノベーション推進に耐えうる
コスト配分モデルの構築

5. クラウドのコスト配分モデルに反復性を持たせる

小さく始めて、実験し、経験を積み、反復し続けるお客様こそが、最も成功することが多いことが分かっています。上記のアリゾナ州とミネソタ州では、小規模でシンプルなモデルから始めましたが、 AWS の使用に関する経験とデータを得るにつれて、組織の変化するニーズに対応するために、自らの取り組みを検証・反復し続けています。

Learn More: クラウドのコスト配分

クラウドの財務管理に関する関連資料

日本の公共部門の皆様へのご案内

今後とも AWS 公共部門ブログで AWS の最新ニュース・公共事例をフォローいただき、併せまして、国内外の公共部門の皆さまとの取り組みを多数紹介した過去のブログ投稿に関しても、ぜひご覧いただければ幸いです。 「クラウド×公共調達」 の各フェーズでお悩みの際には、お客様・パートナー各社様向けの相談の時間帯を随時設けておりますので、ぜひ AWS までご相談ください( Contact Us )。

小木 郁夫
AWS ジャパン パブリックセクター
統括本部長 補佐(公共調達渉外)
BD Capture Manager
・LinkedIn
・Twitter
# AWSCultureChamp (2021年7月~)

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